「キッチンの広さって大体どれくらい?」「どのくらいの広さにしよう?」とお思いの方、必見です。
結論として、広さの平均は4.5畳です。
ですが、あくまで平均なので「この広さなら間違いない!」と言える決まった広さはありません。
なぜなら、通路の幅や間取り、キッチンの型次第で最適な広さは変動するからです。
そこで本記事では、一般的なキッチンの広さと最低限必要な通路の幅、間取りごとに必要な広さについて解説します。
キッチンの広さについてもう一歩踏み込んだ知識を身につけましょう!
1 キッチンの一般的な広さと通路幅
キッチンの広さの平均とその理由、意外と見落としがちな通路幅について本章で解説します。
どちらもキッチンの広さを考える上で参考になるポイントです。
1-1 広さの平均
キッチンの広さの平均は4.5畳です。
その理由は近年、広く普及しているカウンターキッチンの大きさにあります。
一般的なカウンターキッチンの大きさは幅3.3m×奥行2.1m=6.93㎡です。
そして4.5畳=7.29㎡なので、4.5畳はカウンターキッチンがちょうど良く収まる広さと言えます。
また、一般的な16畳から20畳ほどのLDK(リビングダイニングキッチン)に組み込んだ際にバランスが良いことからも、4.5畳はよく用いられる広さとなっています。
1-2 通路幅は最低でも70cm必要
キッチンの広さの影響を大きく受けるのが通路幅です。
通路幅は、キッチンの背面にある収納や冷蔵庫とキッチンの間隔を指します。
この間隔が狭いと他の人とすれ違うタイミングや、収納から物を取り出す際に狭さを感じるでしょう。
また、必要な幅は家族構成やライフスタイルによって変わります。
状況 | 通路幅 |
---|---|
1人暮らしorキッチンを使う人が多くない | 70〜90cm |
同居している人がいてキッチンですれ違う必要がある | 90〜110cm |
引き戸の大きな収納を設置したい | 110〜120cm |
一人暮らしをしている方や、キッチンを使うのが1人のご家庭であれば70cmでも機能面で大きな影響はありません。
しかし、70cmだと収納を引き出した状態では、すれ違うのも難しくなります。
同居している人数や、収納の大きさを踏まえて最適な幅を確保しましょう。
2 一戸建てとマンションにおけるキッチンの違い
「一戸建てとマンションでキッチンの広さは変わらないの?」と疑問が浮かんでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一見、一戸建ての方が広そうですが、どちらも一般的な広さは4.5畳で変わりません。
ただ「広めに作りたい」と思った際に広くしやすいのは、やはり総面積の大きい一戸建てです。
まず一戸建ての方が、キッチンをリビングやダイニングにもゆとりのある形で配置できます。
一方で、マンションでキッチンを広くしようとすると、リビングやダイニングで狭さを感じるかもしれません。
広めのキッチンを検討している場合は注意しておきましょう。
3 キッチンの間取り別に必要な広さ
キッチンにはさまざまな間取りがあり、それぞれ必要な広さも違います。
「全部同じキッチンだから」とひとまとめにせず、各間取りに適した広さを把握しておきましょう。
本章では以下の4つの間取りに必要な広さを解説します。
- 壁付けI型キッチン
- 対面キッチン
- Ⅱ型キッチン
- L型キッチン
3-1 壁付け式I型キッチンに必要な広さ
壁付けI型キッチンは壁に向かってキッチン本体を一直線に配置する間取りです。
形状がシンプルで最もスペースを使わない間取りなので、最低3畳あれば、設置できます。
リビングを広く使いたい方や、キッチンをそれほど使わない方におすすめです。
デメリットとしては、壁を向いて調理するのでリビングの様子が分からないことが挙げられます。
3-2 対面キッチンに必要な広さ
対面キッチンはリビングを向いて作業ができる間取りです。
家族とコミュニケーションを取りやすく、調理中でもリビングを見渡せます。
アイランドキッチンとペニンシュラキッチンの2タイプがあり、それぞれ必要な広さが異なります。
アイランドキッチンは両端がどちらも壁に面しておらず、開放感のある間取りです。
両サイドから通路を確保するにあたって、5畳以上のスペースが必要になります。
また、開放感と引き換えに油はねの対策がしにくい点はデメリットです。
ペニンシュラキッチンは左右どちらかが、壁に面してる間取りです。
開放感は残しつつ、アイランドキッチンより狭い4.5畳で設置できます。
壁を活かして換気扇なども設置できるので、開放感は残しつつ、機能面も重視する方におすすめです。
3-3 Ⅱ型キッチンに必要な広さ
Ⅱ型キッチンはコンロとシンクを切り離して並列させる間取りです。
4.5畳ほどの広さが目安になります。
そんなⅡ型キッチンのメリットは作業スペースの広さです。
コンロとシンクが分かれていることで作業スペースが広くなり、複数人での調理にも向いています。
一方でシンクとコンロへの移動を振り向いて行うので、その点に煩わしさを感じるかもしれません。
加えて、濡れた食器や野菜を移動させる際に水滴が床に落ちてしまうのもデメリットです。
3-4 L型キッチンに必要な広さ
L型キッチンはコンロとシンクを90度になる形で配置する間取りです。
Ⅱ型キッチンと同様にコンロとシンクが離れているため、作業スペースが広く複数人での調理にも適しています。
一方で広さは4.5畳必要で、壁に付ける場合でもI型キッチンよりスペースが必要です。
加えて、角の部分がデッドスペースになりやすく、有効活用するには角専用の収納にしたりと工夫する必要があります。
4 広さだけでなく動線にも注意
広さだけでなく、使いやすい動線になっているかも注意しましょう。
広すぎるとキッチン内で無駄な移動が発生するため、適切な距離感にする必要があります。
最も重要なのが、冷蔵庫・シンク・コンロの3点を結ぶ「ワークトライアングル」と呼ばれる三角形です。
三角形の各辺の合計が360cmから660cmの間に収まっているのが理想的なレイアウトです。
それぞれの場所に2歩から3歩で移動できるため使いやすくなります。
そしてキッチン内での動線に加えて、配膳時の動線まで考慮することをおすすめします。
食事を盛り付けたお皿を持って行ったり、カトラリーや飲み物を出したりとキッチンとリビングの往復は意外にも多くなりがちです。
そのため、キッチンとダイニングが遠いと煩わしく感じる可能性があります。
快適に行き来できる動線か確認しておきましょう。
🗣️食事前、食事中、食後でダイニングとキッチンの往復回数は平均8回、10往復する方は全体の約3割です。 |
5 広さが決まったら実際にキッチンを選んでみる
自分に合う広さのイメージが固まったら、次は実際にキッチンを選んでみましょう。
実際にショウルームへ足を運び確認するのが理想的ですが、数多くのメーカーを見て周るのは時間と手間がかかります。
そのため、ある程度欲しいメーカーやグレードの目星を付けておくのがおすすめです。
こちらのおすすめシステムキッチン比較表では、人気のシステムキッチンをわかりやすくご紹介しています。
人気メーカーの人気グレードを見比べたい方はぜひご覧ください。
まとめ
キッチンの平均的な広さや間取りごとに必要な広さについて解説してきました。
一概に「この広さならOK!」と言える決まった広さはありません。
動線や家族構成、LDK全体の広さを加味して、自分のライフスタイルに最適な広さを見つけましょう。