「キッチンの移動ってどのくらいかかるんだろう?」とお思いの方、必見です。
結論としては、どこから動かしてどのように配置するかで20万円から250万円まで大きく変動します。
そこで今回の記事では、ケース別にキッチンの移動にかかる費用を解説します。
本記事を読めば、費用を抑える方法やキッチンの移動に伴う注意点まで把握することが可能です。
費用面についての知識を身につけて、納得のいくキッチンリフォームを実現しましょう!
1.【ケース別】キッチンの移動にかかる費用相場
キッチンの移動にかかる費用はケースによって異なります。
- 既設キッチンの位置・向きを変える場合
- 壁付け式からペニンシュラ型にする場合
- 壁付け式からアイランド型にする場合
- 階をまたいで移動させる場合
本章では主な4つのケース別に費用の相場を解説します。
1-1.既設キッチンの位置・向きを変える場合
今、使用しているキッチンの位置や向きを変える場合にかかる費用は、20万円から50万円程度が相場となっています。
キッチン本体を購入する費用がかからないため、最も安価で移動できるパターンです。
加えて、既存のキッチンを廃棄する費用がかからないのもお得ですね。
本体を変えずとも位置を変えるだけで、キッチン内の動線が改善できたり、部屋の雰囲気を変えられたりといったメリットがあります。
1-2.壁付け式からペニンシュラ型にする場合
壁付け式のキッチンからペニンシュラ型のキッチンに変更する場合は、60万円から120万円が相場です。(キッチン本体代込み)
キッチンの移動で特に人気なのが、この壁付け式からペニンシュラ型への移動。
キッチンの片側だけが壁に面しており、リビング向きで一体感のある配置です。
今まで壁に向かって調理していたのを、リビングに向かって調理できるようになります。
家族とコミュニケーションを取りやすくなりますし、小さい子どもの様子を確認しながらの作業も可能です。
1-3.壁付け式からアイランド型にする場合
壁付け式のキッチンをアイランド型にするリフォームは、100万円から200万円が相場となっています。(キッチン本体代込み)
ペニンシュラ型と同じくリビング側を向いているキッチンですが、アイランド型の方が費用が嵩む傾向にあります。
その理由は、アイランド型が壁にまったく付いていない配置だからです。
ペニンシュラ型であれば、キッチンの4面のうち1面は壁に付いているため、化粧板を張る必要がありません。
🗣️化粧板は板状の木材の表面に、シートや薄い板で加工を施したものです。より美しい見た目に仕上げるために用いられます。 |
ですが、アイランド型はどの面も壁に付いていないため4面とも化粧板を張る必要があります。
そのため、本体価格が嵩みやすくリフォーム費用が高額になりがちです。
1-4.階をまたいで移動させる場合
1階から2階など、階をまたいでキッチンを移動させる場合の相場は250万円です。
その他の移動よりも、かなりの費用がかかるケースとなっています。
その理由は階をまたいで移動させると、キッチンの移動や本体代だけでなく、ダクトや配管の工事が必要になるからです。
かなり大がかりな工事になり、費用が大幅に増すのは避けられません。
2.キッチン移動のリフォーム費用を抑える方法
かなりの費用がかかるキッチン移動ですが、できることなら少しでも費用を抑えたいところ。
主な方法は以下の2つです。
- 階をまたぐ場合は真上/真下に配置する
- キッチン本体を安く購入する
それぞれ本章で詳しく解説します。
2-1.階をまたぐ場合は真上/真下に配置する
最も費用がかかる階をまたぐ移動の場合は、既存のキッチンの真上か真下に配置することで費用を抑えられます。
その理由は、新たに取り付ける配管やダクトと既存のものとの距離が短くなるからです。
移動費用やキッチン本体の金額に比べると影響は少額ですが、削減できるポイントは把握しておきましょう。
2-2.キッチン本体を安く購入する
リフォーム費用の大部分を占める、キッチンの本体代を抑えるのも有効な方法です。
具体的には本体のグレードを落とすことで、本体代は抑えることができます。
多くのメーカーが大体3つのグレードにわけてキッチンを販売しており、以下はクリナップのグレード展開例です。
各キッチンの機能を見直して、価格を抑えたい場合にはグレードを落とすことも検討してみましょう。
また、安価でキッチン本体を購入できる業者を探すのもおすすめです。
3.キッチンの移動に伴う注意点
キッチンをより便利にするための移動ですが、逆に不便になったり損をしたりすることがあるかもしれません。
特に注意したいのが以下の3点です。
- リビングが狭くなることがある
- 動線が長くなることがある
- 本体ごと買い換えた方がお得な場合がある
各注意点について本章で詳しく解説します。
3-1.リビングが狭くなることがある
特にコンパクトな壁付け式のキッチンから、対面式のキッチンへと移動させた場合にはリビングが狭くなったと感じる場合があります。
これはキッチン自体を広くした分、リビング側へとキッチンが寄るためです。
移動を行う前に、部屋の全体の広さまで考慮しておきましょう。
3-2.動線が長くなることがある
壁付け式のキッチンと対面式のキッチンでは、動線が大きく異なります。
今までが壁付け式であれば、遮るもなく短い動線で移動できていたはずです。
しかし、対面キッチンの場合は今まで真っすぐ進めていた箇所をぐるっと回りこむ必要があります。
食事を盛り付けたお皿を持って行ったり、カトラリーや飲み物を出したりとキッチンとリビングの往復は意外にも多くなりがちです。
そのため、動線の長さにも注意しておきましょう。
🗣️食事前、食事中、食後でダイニングとキッチンの往復回数は平均8回、10往復する方は全体の約3割です。 出典:キッチン・ダイニングにおける生活実態アンケート調査/パナソニック ハウジングソリューションズ |
3-3.本体ごと買い換えた方がお得な場合がある
既存のキッチンを移動させようとお考えの方は、場合によって本体ごと買い換えたほうがお得なケースがあることに注意しておきましょう。
というのも、キッチンの寿命は10年から20年です。
キッチンの寿命については以下の記事で詳しく解説しています。
「システムキッチンの寿命は何年?耐用年数からリフォームのタイミングを考える」
もし、今お使いのキッチンが寿命に近いのであれば、移動と同時に交換を済ませておくことをおすすめします。
その理由は本体費用が上乗せになるものの、移動と別で工事を行うよりも費用が抑えられるので、長期的に見るとお得になることがあるからです。
まとめ
キッチンの移動費用はリフォームの内容やケースによって大きく異なります。
既存の位置変更は20~50万円、壁付け式からペニンシュラ型では60~120万円、アイランド型への変更は100~200万円、階をまたぐ場合は250万円からが相場です。
費用を抑えるには、既存のキッチン直上や直下に配置することで配管費用を削減したり、キッチン本体のグレードを落とすなどの工夫が有効です。
一方で、リビングが狭くなったり動線が長くなることもあるので、費用やリスクを把握して納得いくキッチンリフォームにしましょう!