ペニンシュラキッチンは、開放的なデザインとリビングとの一体感が魅力ですが、「油はねが広がる」「収納が足りない」など、導入後に後悔する声も少なくありません。
しかし、これらのデメリットは工夫次第で対策できます。
そこで本記事では、ペニンシュラキッチンで後悔する4つのデメリットとその対策について解説します。
後悔しがちなデメリットを把握して、快適に使えるペニンシュラキッチンにしていきましょう!
1. ペニンシュラキッチンにしたことを後悔する4つのデメリット
ペニンシュラキッチンの特徴はなんと言ってもその開放感ですが、逆にデメリットになってしまい後悔する方も少なくありません。
具体的には以下の4つのデメリットが後悔に繋がります。
- 油はねや水はねが多い
- 収納スペースが足りない
- 手元が丸見えになる
- 匂いや煙が部屋全体に広がる
本章で各デメリットの詳細を解説していきます。
1.1. 油はねや水はねが多い
開放感のあるペニンシュラキッチンですが、油はねがリビング側に飛び散るのはデメリットです。
前に壁がないので揚げ物を作った後はリビング側の床掃除が必要になってきます。
⚠️揚げ物をした際の油は約1m飛び散ります。特に半径60cmは油はねが多い範囲です。 |
同様の理由で洗い物をしている際の水も飛び散りやすいため、後悔に繋がりやすいポイントです。
1.2. 収納スペースが足りない
開放感を優先するために、吊り戸棚(天井から設置する棚)を置かないことが多いので、収納スペースがシンクやコンロ下に限られることがあります。
そのため、大きめの鍋やフライパンを複数入れて食器もしまうとなると、収納スペースが不足しかねません。
特に家族の人数が多い方にとって後悔しやすいポイントと言えます。
1.3. 手元が丸見えになる
壁のないオープンなペニンシュラキッチンは、リビング側から見た際にキッチンの中が丸見えになってしまいます。
綺麗に掃除されている状態であればそこまで気になりませんが、日々生活していると散らかしてしまうこともあるでしょう。
そんなときにリビング側からキッチンの中が見えていると、少し気になってしまうことがあるようです。
さらに、来客時にキッチン内がすべて見えてしまう点を気にする方もいます。
このように手入れの手間が増え、キッチン内のプライバシーを確保しづらい点が、後悔につながりやすい理由です。
1.4. 匂いや煙が部屋全体に広がる
壁がないことで、調理中の匂いや煙が広がりやすいことも後悔に繋がりやすいポイントです。
「良い匂いだし気にならない」という方であれば問題ないのですが、匂いに敏感な方にとっては苦痛となってしまうでしょう。
窓や換気扇を活用しても改善されず、結果としてペニンシュラキッチンにしたことを後悔するケースがあります。
2. ペニンシュラキッチンのデメリットをカバーできる対策
- 油はねや水はねが多い
- 収納スペースが足りない
- 手元が丸見えになる
- 匂いや煙が部屋全体に広がる
ペニンシュラキッチンには上記のようなデメリットがありますが、工夫次第でカバーすることができます。
本章で対策の内容を詳しく解説します。
2.1. 油はねガードを導入する
油はねガードはコンロ前に設置することで、リビング側へと油がはねることを防ぐアイテムです。
コンロ前に壁を作ることになるため少し開放感は薄れますが、ガラスパネルのものを採用すれば閉塞感は軽減できます。
2.2. 背面収納棚を設置する
収納スペースが足りないデメリットは背面収納棚を設置して対策しましょう。
背面収納棚はキッチンに立った際に後ろ側にある棚のことです。
ペニンシュラキッチンはリビング側を向いた設置になるので、背面の壁に面して設置します。
シンク下とコンロ下以外にも収納を用意することで、食器や調理器具を十分にしまえます。
ここで注意が必要なのはキッチンと背面収納棚の間隔です。
状況 | 通路幅 |
---|---|
1人暮らしorキッチンを使う人が多くない | 70〜90cm |
同居している人がいてキッチンですれ違う必要がある | 90〜110cm |
引き戸の大きな収納を設置したい | 110〜120cm |
人とすれ違う際や収納棚を開ける際の使いやすさを考慮して、最低でも70cmは幅を設けるようにしましょう。
2.3. 腰壁で手元を隠す
ペニンシュラキッチンの手元が丸見えになるデメリットをカバーする方法として、腰壁の設置があります。
腰壁とは、床から腰の高さ程度まである造作壁のことです。
この腰壁をリビング側に設置することで、天板の上がリビング側からは見えなくなります。
さらに、腰壁部分を活用して調味料や小物を置くためのカウンターを作ることも可能です。
一方で、デメリットは壁を作るため、ペニンシュラキッチンの魅力である開放感がどうしても薄れてしまうことが挙げられます。
2.4. 排気能力の高いレンジフードを設置する
煙や匂いが広がりやすいデメリットは換気能力の高いレンジフードを設置することでカバーできます。
具体的には、排気のパワーが強く室外の風の影響を受けにくいシロッコファン、もしくは回転が早く換気効率の高いターボファンを選びましょう。
このほかにもプロペラファンを使ったものもありますが、こちらは最も安価で設置できる反面、室外の風の影響を受けやすいため安定感に欠けます。
加えて外壁に面した場所にしか設置できないのがデメリットです。
3. 【メリット】ペニンシュラキッチンで後悔しないのはこんな人
デメリットはあるものの、それ以上に魅力もあるペニンシュラキッチン。
そんなペニンシュラキッチンを購入しても後悔しないのは、以下のような希望のある方です。
- 開放感のあるキッチンにしたい
- 調理中も家族とのコミュニケーションを大事にしたい
- 部屋全体の広さを維持したい
それぞれの理由について詳しく解説します。
3.1. 開放感のあるキッチンにしたい
壁に向けて設置する壁付き式と比較して、キッチンに立った際に開放感を感じられるのがペニンシュラキッチンの特徴です。
目の前に壁があるのは、調理に集中したい方にとっては気が散らないのでメリットにもなり得ます。
ただ、どうしても閉塞感を感じてしまう方もいるでしょう。
その点、ペニンシュラキッチンはリビングやダイニングに向けて設置するため、調理中でも視界が開けています。
そのため、開放感をお求めの方にはピッタリのキッチンです。
3.2. 調理中も家族とのコミュニケーションを大事にしたい
キッチンがリビング向きになっていることで、家族とコミュニケーションが取りやすいのもペニンシュラキッチンの特徴です。
単に会話がしやすいだけでなく、歩き始めやハイハイを覚えたての子どもが危険な状態でないか、火を使っているキッチン側に近付いていないかも分かります。
加えて、完成した料理をリビング側にそのまま渡すことができるため、配膳がスムーズに行える点も大きなメリットです。
3.3. 部屋全体の広さを維持したい
「開放感は欲しいけどリビングが狭くなるのは避けたい」とお思いの方にはペニンシュラキッチンがおすすめです。
というのも、ペニンシュラキッチンは片側を壁に付けて設置するため、どちらも壁に付いていないアイランドキッチンと比較して、設置に必要なスペースが少なく済むのが特徴です。
そのため、リビングやダイニングといった部屋全体の広さを維持できます。
4. ペニンシュラキッチンとアイランドキッチン、対面キッチンの違い
ペニンシュラキッチンと似たイメージを持たれやすいアイランドキッチンと対面キッチン。
実際にどんな違いがあるのか、意外とあやふやな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本章ではそれぞれの特徴や違いについて解説します。
4.1. アイランドキッチンとの違い
アイランドキッチンもペニンシュラキッチンと同じく、リビング側に向けて設置するキッチンです。
この2つのキッチンは「壁に付けて設置されているか」という点に違いがあります。
ペニンシュラキッチンは片側が壁に付けられていますが、アイランドキッチンはどちらも壁に付けない独立した状態です。
これにより、アイランドキッチンは左右どちらからでもキッチンにアクセス可能な開放感のある作りとなっています。
しかし、両側に動線を設ける分、消費するスペースが多くなり6畳は必要です。
ペニンシュラキッチンであれば、4.5畳から設置することができます。
4.2. 対面キッチンとの違い
対面キッチンはペニンシュラキッチンやアイランドキッチンなど、リビング側を向いた配置全般の総称です。
ペニンシュラキッチンやアイランドキッチンとは、異なる形式のキッチンだと思ってしまいがちですが、あくまで大きな分類の名称であることを把握しておきましょう。
まとめ
ペニンシュラキッチンは、開放感や家族とのコミュニケーションの取りやすさなど多くの魅力があります。
その一方で、油はねや水はねの多さ、収納スペース不足、手元が丸見えになる点、匂いや煙が広がりやすい点といったデメリットが後悔に繋がることも。
ですが、工夫を凝らして対策することで、ペニンシュラキッチンの魅力をさらに感じられるはずです!
本記事でご紹介した対策を活用して、デメリットを気にせず快適にペニンシュラキッチンを使いこなしましょう!